物置の整理と言ったら几帳面な奴って思われそうですが・・・オレ几帳面なんです。 冬タイヤのアルミホイルのセンターキャップを無意識に仕舞い込んで行方不明、その捜索での整理って事なんですナ。 隅っこから二本の古いグラスロットが出てきてなっつうかしぃ~イったらありゃしない。 生まれて初めて竹以外の竿を手にしたのが、後にオレンジ色の糸で補強したグラスロットの素材剥き出しの1m60cm弱の物がそれ。 もう一本の黄緑の濃い竿は相当昔の若くピッチピチの頃、離島に長期滞在してたんです。 毎日飲んで騒いでいる内に釣り具店をカァちゃんにやらせている男と意気投合しちゃうのは当然な成り行きだもんね。 「島の物価高すぎねぇ~?」 「・・・・・・・・ダァな」 「釣り具なんて高すぎて買えねぇよ」 「おっ!俺ンとこ釣具店やってんだ、まける(安くする)から、あしたケェ~(来い)」 次に日に釣具店に行くと、夫婦喧嘩でっせ。 「旦那さんが安く売ってくれるって約束したんでよろしくゥ」と言ったら 奥に向かって 「おォ~とう~さん!ちょっときてぇ~」 それから、おとう~さん、カミさんと昨夜の酔った勢いでの約束に挟まれヒーヒーヘナヘナ状態よ。 数十分、時々夫婦の会話に油を注いで楽しみ 「じゃ~、月賦でならこの店の定価で買うけどどう?」 これにカミさん即喰い付いて 「いいですよォ~、どーぞ選んでください」って満面笑顔だもん。 「10回月賦にしてくれる?」 10回で買う金額ってけっこういきますネって踏んだのかニッコニコ。 「この竿いくら?」 「500円です」 「じゃこれ」 「あと、これなどもどうです?」 「これ一本でいい、で、頭金の50円ネ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・?」 「間違いのないように帳面に記帳して、できれば領収証くれる?」 その後、2~3度毎月同じ日に50円払いに行った(結局二回目で100円の支払いだったハズ) 「もう~いいです。」 それから店に行くと 「ひぇ~ッ!」って 最後まで洒落として取ってくれなかったのが、オレだけが残念ってこったァ。 その後は定価で買っていましたが、その都度オレの顔を見るとやっぱり 「ひぇ~ッ!」のリアクション。 30数年経ってその離島に行ったの、その時『あの釣り具店やってンのかな?オッカサン元気?あのオヤジは?」って思いで行ったのよ。 店に。 引き戸をガラっと開けて 「ゴメン下さい」 あのカミさんが思いっ切り老けて、前髪を指ですきながら「いらっしゃいませぇ~」 「元気?オレ!」 目を大きく見開いて 「あンんのう~、〇〇〇さん?」 「そう」 こんなに時間が経っても最後はオレと知って 「ひぇ~っ!」 そんな竿。 この竿を持ってあの離島に釣りに行きてぇ~ナ。 今度、行っても、あの釣具店には顔を出さんでおきます。 カミさんの心臓に悪いでしょうしって思ってンのォ。
by bacamasa
| 2010-08-27 00:35
|
ファン申請 |
||